GW盛況の異色フェス「板橋の高校生が企画」のなぜ 外国人の力をテコにした地域おこしのヒントを探る

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

そのころ、上板橋北口商店街にも加盟しているネパール&インド料理店「スルエシー」を営むケーシー・カルキ・ゲヘンドラさんも考えていた。

「上板橋に住んで、もう16年です。下町で緑も多くて、子育てしやすいところですよ」

そんな街で日本人の妻と店を切り盛りし、子どもは日本の学校に通わせ、一家で暮らしてきたが、昔はわずかだった外国人が増えてきたと感じる。同胞のネパール人も多い。それなら、もっとお互いの交流が進むようなイベントができたら家族のためにもいいなと考え、ケーシーさんは商店街に話を持ちかけてみたのだ。

受け取ったのは商店街の理事も務める板橋区議の間中りんぺいさん。そこへSNSを通じて鈴木さんからのDMも届く。それなら、と間中さんは両者をつなげてみたのだ。

「面白いと思ったんです。板橋にはなにかをがんばりたいと思っている人たちがたくさんいます。その人たちにやりたいことをやってもらえたら、区全体の力が上がるんです」

共同代表として挨拶をする高校生の鈴木拓哉さん。後ろで見守るのはケーシーさん

こうして裏方に徹することになった間中さんのサポートのもと、なんと高校生の鈴木さんを共同代表として準備が始まったが、そこからは困難の連続だった。

文化のギャップを埋めるのが大変!

「なにが大変って、コミュニケーションです」

鈴木さんもケーシーさんも間中さんも口をそろえる。ネパール側の出店者やパフォーマーたちとの窓口は日本語堪能なケーシーさんが務めたが、文化のギャップを埋めるのはなかなかにしんどかったようだ。

何度も何度も行われた顔合わせや打ち合わせのひとコマ。ケーシーさん(左)や、板橋区議の間中さん(左から3番目)、ネパール人の大人たちと堂々と渡り合う鈴木さん(左から2番目)が印象的だった

例えばブースの並び順。「自然と異文化交流になるような形にしたかったので」(鈴木さん)、日本の店とネパールの店を交互に配置すると決めたが、対してネパールの出店者から声が上がる。

「日本人はなにごともキッチリやるので、ネパール人とは合わないんじゃないか、分けたほうがいいんじゃないか、なんて言われて」(ケーシーさん)

次ページ「ネパールから有名な歌手を呼ぼう」という意見も
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事