「これって教員の仕事?」疲弊する先生のリアル 終わらない業務、保護者からの無理難題に苦慮

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女性は、教材研究の翌週分を週末にまとめて行う。2020年度から学習指導要領の改訂で、学習内容や求められる指導方法が大きく変わった。教科書や指導書を読み込み、板書計画を練り、授業で使うプリントをつくる。

1教科あたり最低1時間。授業前夜にも、翌日分の内容を再確認する。授業の直前にササッと教科書に目を通すくらいでは、授業の質は保てない。

評価をめぐる負担も重くなったと感じている。学習指導要領の改訂に先立ち、通知表には、主体的に学習にとりくんでいるかを問う項目が加わった。

プレゼンテーションや、資料の読み解き、ノートのとり方など、一人ひとりの学習や思考のプロセスを、より丁寧に見ることが求められるようになった。数値化は難しく、それだけ手間がかかる。

女性は教員になりたての20代の頃、先輩から「月給は年齢×1万円」と聞いた。

30歳なら30万円、40歳になれば40万円……。「夢あるわー!」と思ったが、行財政改革のあおりもあり、現実は違った。

対応しなければいけないことが増えた

授業準備や評価などの本来業務に加え、負担が重くのしかかるのは、保護者への対応だ。

保護者同士が不倫関係になり、当事者の配偶者から「うちの子を、あの子(不倫相手の子ども)と一切かかわらせるな」といった無理難題を押しつけられることもある。

約20年間に及ぶ教員生活。保護者に生活や心の余裕がなくなり、そのストレスが子どもに向けられるようになったと感じている。

虐待や、給食費未納などの対応に追われることが増えた。保護者から教員への脅しや、暴力沙汰になりかねない行為も。子どもを見放すわけにもいかず、悩ましい。

地域の人から「転んだ子がいる」といった電話がかかってくることも。「あなたが対応してあげて」という本音をのみ込み、かけつける。

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