ゲーセン「大量閉店」の背後にある本質的な変容 「千円でだらだら」若者の消費欲を満たせてない
学校の帰り道、ゲーセンに寄って、友達とだらだらした経験のある人はいるだろうか?
筆者も中高時代、そんな経験をした一人だ。音ゲーが好きな友人がいて、「maimai」というゲームをずっとやっているのを、横で見ていた。特に私はお金を使うわけではなく、そこで友人とだべりながら、だらっとしていた。たまにやるのはアーケードのシューティングゲームで、「ハウス・オブ・ザ・デッド」をよくやっていた気がする。
ただ、お金がたくさんあるわけではなかったから、2プレイぐらいして、それで帰る。思えば、1000円かからないぐらいで、だらっといられる、「せんべろ」ならぬ「せんだら」的な使い方をしていたなあ、と思う。
でも、そんな、ゲーセンは、もう戻ってこないのかもしれない。実は、ゲーセンの倒産が相次ぎ、業界全体が苦境に立たされているのだ。
なぜ、ゲーセンは苦しいのか? 筆者は、それを、まさに今ここで書いたような「だらだらする空間としてのゲーセン」という視点から考えてみたい。つまり、「せんだら」的魅力の減少、という観点だ。
先行き不安なゲームセンター業界
まず、前提として、今、ゲーセンがどのような状況にあるのかを見てみよう。
帝国データバンクが4月7日に発表したデータによれば、ゲームセンターの倒産が過去5年で最多となったという。2年連続で倒産数は増加している。ゲームセンターの店舗数自体、10年間で8000店近く減少しており、直近5年間では3割減だ。
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