「ツテなしコネなし海外起業」37歳女性の大胆人生 「まず動く」ワクワクする"世界の歩き方"は?

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だが、せっかく会社を設立したのに、コロナ禍でダメージは受けなかったのだろうか。

「カンボジアで起業するので、カンボジアの人々とビジネスをしたいと思っていて。だから、直接的な影響はありませんでした。でも、コロナ禍で今までいた外資の業者の人たちは帰国したりして、逆に相談するところがなくて、私のところにどんどん問い合わせが来るようになりました。『今、入国できますか?』『これをするには、どうしたらいいですか?』みたいな、ビジネスというよりは、ほんとにカンボジアでの現地状況に関することを伝えてあげるという感じでした」

「コロナ禍で皆が母国に引き返す中で現地に入り込む」という偶然ではあるが、言わば逆張りの戦略が功を奏した。

日本から来る問い合わせに親身に相談にのれば当然、カンボジアでのアドバイザーとなり顧客となってくれる。そうしていくうちに、ゼロから始めたビジネスは、次第に順調に回っていくようになった。

そして、カンボジアにいるからこそ対応できることも非常に多い。

「いつ渡航して来てもらってもいいというのは強みですね。あとは、たとえばカンボジアで外国人が土地を買う手続きは非常に複雑なんです。コンドミニアムとか土地付きでない建物は買えるのですが、土地は同じようには買えません。そのうえで法整備がどんどん進んでおり、ルールも変わるので、そのスピードには現地にいないと追いつかない状況です。海外の人は決断も早いですからね」

日本でも建物の売買をする業者はいるが、やはり現地とのスピードの差が出るという。

カンボジアの地から常に世界への旅を模索している(写真:奥田けいこさん提供)

「子どもが自立したら、また海外に旅に出たい」

カンボジアでの起業から3年。現地スタッフも雇い、少しずつビジネスも根付いてきた。

「支店を増やしたりだとか、さらに別の国でビジネスをしたいとは今は思ってはいないです。ゆくゆくはここも現地スタッフに任せていきたいなとは思います。子どもが自立したら、また海外に旅に出たいですね。それが本当に楽しみなので」

学生時代から大好きだった旅行で、今度はどんな発見をするのか。

奥田さんの世界へ、そして人生の旅路はまだまだ続いていく。

*この記事の前半:「"受験失敗"から大逆転!」37歳女性の"海外挑戦"

松原 大輔 編集者・ライター

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まつばら・だいすけ / Daisuke Matsubara

富山県出身。編集者・ライター・YouTubeプロデューサー。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。大学卒業後、講談社生活文化局にて編集見習いとなる。その後、文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などで編集者・記者を経て、2018年に独立。書籍の企画、編集や執筆活動、YouTubeの動画制作・プロデュース、アーティストマネジメントなどを行っている。

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