「コロナ禍でギリギリまではカンボジアに入り準備をしていたのですが、いよいよ渡航が無理となって、割り切ってひきこもりました。もう焦っても仕方ないので、始動時期を待つ、という感じです。できる手続きを進めて、資格を取得したり、情報収集と資料作成に時間を費やして。本当にできるところで動いてました」
たとえ動けなくとも、できることはする。そのうえでカンボジアはまだ他の東南アジアの国々に比べ日本人も少なく、伸びしろがありビジネスができると熱は高まった。
ここでも「すべてを自らの手で行う」という奥田さんの流儀により、銀行口座開設、法人登記など、現地の役所への手続きなどを自らの手で行っていった。
「さすがにわからないことは通訳さんをつけて、一緒に話しに行きました。日本でも法務局とかに登記しに行きますよね。あれと同じことをカンボジアでもやったわけです」
「コロナ禍で立ち上げた新会社」とは?
そうして苦労しながら、カンボジアでの本格的な準備から14カ月目、2021年にカンボジアに会社を設立。
まだまだコロナ禍でその余波はあったが、自ら苦労して得た知識は、カンボジアに来る日本人に対して、さまざまなサポートビジネスとして展開できることにもつながった。
もちろん、子どもの学校もしっかりと見つけて、まずは生活面での安定を優先させた。
「カンボジアは物価が安いイメージがあると思いますが、プノンペンに関しては日本と同じ生活をするなら倍はかかると思います。ものによりますが、たとえばコーヒーをカフェで飲めば500円くらい。日本ならコンビニに120円くらいでコーヒーがありますが、それはこっちでは露店商で買えるものと同じです。だから自分が新卒で就職したときなら絶対に無理だろうなって思います」
そう、カンボジアでも今、プノンペンに関しては発展が凄まじく、地価や物価も上昇しているわけである。
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