とはいえ、「紅麹菌」は1000年以上という長い歴史の中で伝統的・経験則的に安全性が担保されています。
「その食品を長く食べてきた」という「歴史の証明」があるわけです。その違いです。
「食品だから安全」でも「添加物だから危険」でもない
「お前は『食品の裏側』の著者のくせに、食品添加物を擁護するのか」というお叱りの声が上がるかもしれません。
私がここで言っているのは「いい」「悪い」の感情論ではなく、「『食品添加物』は公的な安全性のデータがあり、『食品』にはそれがない」という、その事実です。
「ベニコウジ色素」の安全性は、一応は担保されています。厚生労働省に食品添加物として認可されてからこの十数年間で、問題が起こったという話は聞きません。
「食品だから安全」というわけではないし、逆に「添加物だから危険」ということでもないのです。
当たり前のことですが、口に入れるものは安全性の高いものであることが絶対条件です。
「安全性の担保」は簡単なことではありません。
そして、これも当たり前のことですが、膨大な検査の証明、長い歴史の証明が必要です。「自主基準」「わずか数年」で獲得できるとは、私にはとても思えません。
そこには「制度の瑕疵」、さらには「安全性の軽視」があったのではないでしょうか。
そのあたりに、この事件の根っこがあるような気がしてならないのです。
次回は「麹菌の管理」というアプローチから、この問題を考えていきたいと思います。
*この記事の続き:小林製薬「紅麹問題」結局、何がマズかったのか?
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