日本経済 復活まで 竹森俊平著

日本経済 復活まで 竹森俊平著

原発事故に伴う放射性物質による汚染が問題になって以来、疑念を振り払うように食品の産地表示が詳細になっている。著者はそれに倣うかのように、東日本大震災の実感と提言の中で、すべてに自らの立場を明らかにしつつ論述する。

まず大震災を天災と人災に分けてとらえる。津波による天災の部分については、日本経済に対してむしろポジティブな影響が生まれる可能性さえあると見る。阪神・淡路大震災後の対応を「95年モデル」として、それを範とする。その一方で、原発事故による人災については、日本経済に複雑かつ深刻な影響を与え、それをどのように打ち消すかが課題、ととらえる。

真骨頂は後半の「第2部この国の未来」だ。電力不足下で熱い視線が注がれるのは輸出力の強化とあり、インフレ的でダイナミックな経済の復活に不可欠と判断する。日記風の前半「第1部震災発生」では、事態の推移の中に経済学者の確かな目が光る。

中央公論新社 1050円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 見過ごされる若者の貧困
  • iPhoneの裏技
  • CSR企業総覧
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
トレンドライブラリーAD
人気の動画
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
早慶上理・MARCH・関関同立、少子化でどうなる?
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
築40年超「老朽マンション」丸ごと建て替えの大問題
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
山手線2日間運休「渋谷駅大工事」何をどう変えた
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
「料理が突然、上手になる」たった1つの簡単秘訣
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
日米の躍進銘柄を総まくり<br>発掘! 未来の成長企業

米国の株式相場上昇に目を奪われがちですが、日本でも未来を牽引する成長企業は確実に育っています。本特集では「新興成長企業」や「トップの通信簿」などのランキングを掲載。GAFAMやメルカリの次の新主役を探しましょう。

東洋経済education×ICT