正岡子規、従軍す 末延芳晴著

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正岡子規、従軍す 末延芳晴著

正岡子規が日清戦争に記者として従軍した時期をもっぱら掘り下げたところがユニークである。新聞「日本」の記者生活から従軍を熱望するに至った経緯、士官との確執、中国での見聞と文学作品(紹介と解説)、帰国船での喀血までに紙数の大半が費やされている。この時期の俳句や短歌に駄作かつ好戦的なものが多いこともあって、子規に親近感を抱く研究者にとってはあまり近寄りたくないテーマであることは確かだ。

しかし著者は子規の漢詩、新体詩を調べ上げることで、新しい光を投げかけることに成功した。これからは漢文より英語だとしながら英語劣等感にさいなまれた子規が、漢詩の力を詩的表現の足掛かりにした実態は新鮮である。病を押して従軍記者を志した動機は何であったか、そこでの体験が子規文学に何をもたらしたのか、共に子規研究に新たな一ページを加えるものとなった。岸田吟香、福地源一郎らの従軍記者との対比も面白い。(純)

平凡社 2730円

  

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