Q 日本の中学生・高校生は受験勉強に追われて、自分の興味を見つけたり、自分と向き合ってじっくり考えたりする機会や時間がないように感じます。どうすれば中学生・高校生が自分への理解を深められると思いますか。
リンダさん:日本の若い人たちは100年以上の人生を送る人も多いでしょう。だから自分について理解するための時間はたっぷりあります。
重要なことは人生のさまざまなステージでいろいろなことを試す時間を確保することです。そのためには両親を説得しなければならないし、日本の社会も変わらなければならないでしょう。例えば試験勉強のための時間をほかのことに使うことが、ゆくゆくはプラスになると主張していかなければいけないでしょう。
私の息子は高校卒業から大学に入るまでの1年間をインドや中国、シンガポールに出かけてジャーナリストのような仕事をして過ごしました。彼はこの経験で世界についての理解を深めました。人生100年時代では、若い時代の1年間を世界を見て回ることに費やしても結局はプラスになると思います。
親も子も互いに理解し合って
Q 親は自分が経験したことを基準に話をするので、私が大学卒業後に就職しないと言ったら、止められる気がします。今までの一般的な成功ケースから離れる行動をとりたいとき、どう伝えたら親を説得できるでしょうか。
リンダさん:どの世代にとっても、次の世代の生き方を考えるのは難しいことです。あなたのご両親が生きてきた時代とあなたの時代も大きく違います。だから、子どもも親もお互いを理解し、共感しようという気持ちを持つことが大切だと思います。
大学を卒業後、あなたは何をしたいと考えていますか。私の人生を振り返ると、若いときに働く経験をしたことで人生や労働について多くのことを学びました。
Q 私の周りには、今決めたことが後の人生にずっと影響するので、将来のことを決めるのが難しいと感じている人がたくさんいます。中高生の意識を変えるにはどうしたらよいでしょうか。
リンダさん:中高生の時点で人生をこういうふうに過ごしたいとはっきり決めているのは珍しいことです。私は16歳のとき、自分が何をしたいかなんて全然わかっていませんでした。その後チョコレート工場で働いたり、世界を旅したりして、私が関心を持っているのは人間や組織だと気がつきました。
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