「玄関と裏口、わずか10センチ高低差まで表示」 精密すぎる≪地理院地図≫の実力とは?

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身近なツールとなった地理院地図の実力を紹介します(写真:tadamichi/PIXTA)
地理院地図では、紙の地図では読み取りにくかった標高を、10センチ単位でピンポイント表示してくれます。航空レーザ測量による高密度な標高データで、玄関と裏口のわずかな高低差までわかるのです。本稿は『地理院地図の深掘り』より一部抜粋・編集のうえ、身近なツールとなった地理院地図の実力を紹介します。

紙の地図との違いとは?

地理院地図が紙地図と違う最大のポイントは、地点の標高がすぐにわかることだ。

地図右上の「設定」で「中心十字線」がオンになっている場合、その「+印」が指す地点の標高が示されている。紙の地形図では、水準点や三角点など、標高を明示してある地点以外、10メートル間隔(平坦な地域では2.5~5メートルの場合も)で引かれている等高線との関係を読みながら概数で読むしかなかった。

しかし、これが地理院地図ならピンポイントで、しかも10センチ単位で表示される。このため、たとえばざっと眺めて同じ高さに見える住宅地であっても、わずか50メートルほど離れた場所で数十センチの高低差があって驚かされることも。

標高が表示されるのは画面の最下部(左下のコンテキストメニュー内)で、その後に「データソース:DEM5A」などとあるのは標高の根拠である。DEMとは数値標高モデル(Digital Elevation Model)の略で、5の数字は「5メートルメッシュ」つまり、5メートルの正方形の格子をかけて中心点の高さを持たせたデータで、航空レーザ測量(レーザの反射時間で計測)で求めたものだ。

細かいことを言えば、このままでは建物や樹木などの高さを拾ってしまうので、地理院地図の標高はそれらを除去して地表面の高さを出している。このようにDEMから構造物などを除去したものを、DTM(Digital Terrain Model)と呼んで区別することもある。

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