しかし「この子が健康で生きているだけで感謝、満足」という究極の期待値まで“本気で”下げていけば、笑顔は日々自然と出てきます。そこから、上記のプラスのサイクルが回り出します。
仮想の基準とは、周囲からの同調圧力によって作られた基準、親のこだわりという基準、兄弟姉妹間の比較によって作られた基準のことを言います。つまり、何かとの比較によって自分の子どもを評価すると、どうしても足りない部分に目が行き、それを補うために、「もっと、もっと」が出てきます。もちろん、できていないことは、その子のペースで教えていきます。しかし、その子に合わせないで、親の欲や期待だけで進めてしまうと、子どものリズムは壊れていきます。
では、どうすればいいでしょうか。それは、子ども独自の基準を作ることです。独自の基準とは、「その子らしさの評価基準」と言ってもいいでしょう。
子どもの長所を言語化して伝える
そのために次の2つのステップを踏んでみてください。
①自分の子どもの長所を10個挙げてください
長所とは、その子の中で目立つ凸の部分です。決して他者と比較して良いと思われる部分ではありません。普段から仮想の基準で子どもを見ていると、欠点や短所ばかりが出てきますが、10の長所を出すことができたら、まさに子ども独自の基準を見ていることになります。
②次に、それを子どもに言語化して伝えてください
思っているだけでなく、機会があれば、長所を言語化して子どもに伝えてみてください。「よく気がついて助かるわ」「笑顔がとてもいいね」「その姿勢は美しいね」など状態の長所でもいいですし、「計算速いね〜」「電車の知識はすごいね〜」と能力の長所でも構いません。要するに、子どもの中で凸の部分を言語化して伝えてあげるだけで結構です。
以上のステップによって、子ども独自の基準ができます。この段階で、親の欲、期待、焦りはかなり最小化していると思います。
最後の方法は、“エネルギー転換”です。今までは子どものことが気になって、気になって仕方がない状態だったと思います。しかし、気にしたところで、余計な声かけをしてしまったり、イライラするだけだったりします。そこで、これまで子どもへの欲、期待、焦りに使っていた“エネルギー”を別に使っていきます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら