モノの本によれば、ロイヤルアスコットではカメラ持ち込みがご法度となっている。が、スマホ全盛の今日にそれはご無体な注文というもので、シルバーリング席の皆様は盛大にパシャパシャやっておられました。
逆に、黙ってレースを研究しているようなギャンブラーはほとんど見当たらない。まあ、これはパドックも見られない外野席(もちろん映像は見られる)ならではの現象かもしれないが、全体に「競馬は添え物」感は否めない。
意外?当然?日本のような競馬専門紙はなかった
英国はタブロイド紙が多種多様に存在し、それらはこぞってロイヤルアスコットに関する記事を載せている。が、日本のような競馬専門紙は存在しない。馬柱は読めないし、馬体重の発表もない。ゆえにレースの分析も底が浅い。
代わりに重宝されているのは、「タイムフォーム・レース・カード」と呼ばれる小冊子だ。5ポンドで売っているが、出走馬に関する軽めのコメントがついていて、最近の戦績をレーティングしてくれているのが売り。数値の高い馬は買い。わかりやすいけど、レース展開の推理などは皆無である。
実際にこの日、1Rのアルバニーステークスと2Rのエドワード7世ステークスは、いずれもタイムフォーム・レーティングが最強の馬が勝っている。ゆえに本命ガチガチの低配当が続く。これではつまらない。そして筆者も当たらない。
今年は日本から天皇賞馬スピルバーグが参戦して6位に終わった、てなことで日本の競馬関連メディアは騒いでいたはずである。いや、確かに競馬関係者は日本と同様に大真面目だろうと思うが、ギャンブラーは絶対に日本の方が真剣勝負だぞ。
もうひとつ、特筆すべきは賭け方である。レース場の手前にブックメーカーが立つのだが、それぞれに会社が違っている。スーパーのレシートみたいな馬券を買って、当たったら同じ会社で配当してもらう。ほかの会社ではダメ。なにしろ表示しているオッズも、会社ごとに微妙に違うのだ。オッズは買った時点のものが馬券に記されていて、後で変化があっても配当は変わらない。
もちろん主催者発表の公式オッズもあって、そっちは日本と同じマークシート方式の投票もできるとのこと。が、これは断然、ブックメーカーの方が面白い。3Rのコモンウェルスカップ(G1)では、米国産馬ホーテナニーの前評判が高かった。
出走が近づくにつれて、ホーテナニーの単勝オッズがどんどん下がっていく。しかも筆者が馬券買いの行列をついている間にも下がってしまう。面白くないので急きょ予定を変更し、このレースのタイムフォームがもっとも高かったアイルランド産馬リマートの複勝(3着までに入ればあたりの馬券)を買ってみた。
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