すがった海外「腎臓移植」"地獄"を見た患者の末路 海外「臓器売買・斡旋」の闇を追うルポタージュ

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菊池「外国ではこういうこともありますね。今ここで長電話するより、(リハビリで)歩いた方がいいんで、今から歩いてもらえますか」

本田「菊池さん、私ね、悪いけど納得できないんですよ」

菊池「納得できないならどうしますか? 日本に帰りますか? いいから歩いてください。ここでワーワー騒いだって体は良くならないんですよ」

実は病院では、本田より先に腎臓移植手術を受けて重篤になったイスラエル人女性が、その後、死亡していた。

女性の家族が「警察を呼ぶ」と騒ぎ立てたため、慌てたトルコ人側が本田を病院からホテルに移したというのが真相だった。

適当な言葉の数々に募る不信感

歩くことはおろか、激しい痛みでベッドから体を起こすのも難しい本田に対し、菊池は電話口で、リハビリを行うよう繰り返し求めた。あたかも医師であるかのように、こうも述べている。

「今、おしっこの写真を見せてもらいました。この色の状態と流れを見ると、はっきり言って心配ない状態ですよ。問題は、おしっこの量が少ないことなんですよ。

(中略)本田さんの移植した腎臓は、まだ2~3割しか動いていない。これをどんどん良くするには、歩いてほしいんです。するとおしっこの量は3日後には必ず増えるから。僕は99%約束する」

本田の体調を心配した日本の親族が、通訳のカタリナからトルコ人の連絡先を聞き出し、現地で多くの人に利用されている通信アプリ「テレグラム」を通じて英語でやりとりをしている。手術から8日後の12月26日のことだ。

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