「団地再生」の成功事例を深掘りして見えたこと 子育て世帯の「入居続々」大阪・茶山台団地

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このうち「つくろう家」は一般的な賃貸住宅なら退去する際に求められる原状回復を不要としているのが特徴だ。「つくろう家」の利用者の半数以上がDIYができることを入居の決め手にしたというアンケート結果もある。

このように、ターゲットとする若い世代にニーズを合わせた住戸の導入、いわゆる「ハコ」の改善効果が非常に効果的だったのだろう。

大きな役割果たす“伴走者”

しかし、DIY住戸の導入やそれを可能にする制度の見直しだけで、若い世代を呼び込めるわけではない。それを可能にするには、さらなる仕掛けと、地道に下支えする人の存在が大きな役割を果たす。

たとえばDIYができる住戸があっても、多くの入居者がDIYに慣れているわけではない。それを満足のいくレベルで行えるよう、手助けや助言をし続けてくれる伴走者のような人たちがいるからうまく回るのである。

茶山台団地には空き住戸を利用した「DIYの家」と呼ばれる工房がある。

DIYの家
「DIYの家」では工具や作業台を無料で誰でも使える(写真:筆者撮影)

ここには地元でDIYショップを営む専門家などがいて、道具の貸し出しや壁紙などの素材の販売、見栄え良いDIYを可能にするためのアドバイスも実施している。

入居者はもちろん、それ以外の地域の人たちが電動工具や作業台を自由に、しかも無料で使えるため大好評。子どもたちの工作の悩みにも応えている。

このため、DIYの主要ターゲットである若年夫婦だけでなく、幅広い世代の人たちが集まる場となっている。

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