川勝氏だけじゃない「失言を繰り返す人」3つの特徴 上昇志向が強い人、自己肯定感が高い人も要注意
モチベーションの高さとその自負
2つ目の意外な落とし穴は、仕事に対するモチベーションが高く、それを自負していること。
こちらも、それ自体はポジティブなことですが、上昇志向が強い人や、意識的に自己肯定感を高めようとしている人は要注意です。
川勝知事は辞任宣言する直前に、「ここまでこういう風潮が瀰漫(びまん)しているということに対しましては憂いを持っています」と語ったほか、その他でも「誤解も甚だしいというか、曲解も甚だしいと思います。しかしそういう人がいたことは誠に残念で、ぜひその誤解は解いていただきたい」などのコメントもありました。
さらに、広聴広報課に苦情が入ったことを指摘されたときも、「それは(発言を報じた)読売新聞のせいだと思っています」「切り取られたんだと思いますね」などとメディアに責任転嫁。いずれも「(世間の風潮、誤解する人、メディアなどに)足を引っ張られたくない」という感情が人一倍強いと思わせる発言であり、上昇志向が強い人ほどこのような思考回路が見られます。
また、本来は自己肯定感の高い人ほど、異なる価値観の人に対して寛容になることができ、組織の中でポジティブな影響を与えられるものです。しかし、「自分を肯定しよう」という意識が強すぎる人は、それを優先するあまり、他者に不寛容な言動になってしまったというケースが少なくありません。
「ありのままの自分を肯定しよう」という考え方は素晴らしいものの、その意識が強くなりすぎて「自分のプライドを守ろう」という防衛意識につながったときは危険信号。「つい言いすぎてしまった」「余計なひと言を加えてしまった」などの失言につながりやすく、しかも自分への意識が高まった状態だけに、素直に謝罪できず誰かに責任転嫁してしまいがちです。川勝知事が辞任理由にリニア問題を持ち出したのは、この典型的なケースと言っていいでしょう。
これをビジネスパーソンに置き換えると、たとえば出世したあとやプロジェクトを成し遂げたあとなどは自己肯定感を過剰に意識しやすく、なかでも努力や才能への自負がある人は、それだけ失言のリスクが高いため注意が必要です。
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