子供の推薦入試を「否定的」に見る親に欠けた視点 推薦入試導入した意図、どのように対策する?
具体的に、それぞれの入試形式における、重視するポイントや違いは以下の通りです。
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ちなみに推薦入試は、欧米の大学入試を参考に導入されたと言われています。例えばアメリカの大学では、高校の成績や、SAT®またはACT(いずれも大学進学希望者のための標準学力テスト)に加え、高校時代にやってきたことを評価するために、エッセイや面接などを受験生に課し、合否を決めています。
学校推薦型選抜は、成績の高さや、高校内での競争など、ハードルの高さはあるものの、総合型選抜より受かりやすい側面があります。一方で総合型選抜は、試験対策をしっかり練らないと、落ちる可能性も十分にあります。
総合型選抜の受験を考えるうえで、最も重要なのが「学部選び」です。なぜなら、学部によって、出題形式ががらりと変わるからです。
学部によって出題形式が大きく異なる
面接で聞かれる質問の例を挙げると、早稲田大学政治経済学部では「シルバー民主主義について、あなたはどう思いますか?」などのように、政治学的な視点からの質問があり、受験生の意見・思考力が問われます。
一方、文化構想学部では「日本文化を世界に広めるためにはどうするか?あなたが興味を抱き、学生時代に追求してきた日本文化は?」といった、文化的な観点から、質問をされることがあります。
つまり、総合型選抜で最も問われるのが「本当にその学部で学びたいのかどうか?」ということです。
一般入試の合格者が大半を占める時代には、大学で学ぶ内容よりも、どの大学に行くのかが受験における最重要事項だった側面もあるでしょう。
そのため「志望する大学に受かること」だけを目的にしていた受験生は、合格後に燃え尽きてしまい、授業への意欲や学びに対する意欲が低下してしまうという問題も指摘され続けてきました。
その対策として、入学前にその学部で学ぶことに対する受験生の意欲を測れる総合型選抜が拡大した、と言えるのではないかと思います。
では、総合型選抜に合格するのはどのような人なのでしょうか。結論から言うと、「偏差値が高い人ではなく」、大学側から「この学生はこの大学の、この学部での研究や学習に向いている」と思われた人だと思います。
私が2000人以上の総合型選抜の合格者たちの志望理由書を分析してわかったのは、彼ら・彼女たちの共通点は、志望学部での学びに対して深く理解しているということです。
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