「神道」の虚像と実像 井上寛司著
神道とは何なのか、いつどのように成立したのかを問い、さらに神社や寺院・仏教などを含む日本の宗教全体のあり方をひもとく。
歴史学者である著者は、「神道」が古代日本で自然発生的に生まれた固有の民族的宗教であるという一般的な定義を否定するところから始める。元来、古代日本の宗教は、仏教や神祇信仰・修験道・陰陽道など多様な信仰の寄せ集めであった。そこから神道は中世に入って、天皇神話と融合し、その思想的解釈として成立していったというのだ。
権力による強権的な政治利用を通じて、民衆統治のための国家的イデオロギーとして近代に成立した、神道の暗部といえる「国家神道」についても論じている。
講談社現代新書 798円
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