生ごみを触れない生徒が増加、家庭科教員の嘆き 洗濯やトイレ掃除は「宿題」に出て初めて体験
では、親はどんな経験を子どもに与えたらいいのだろうか?
「いちばん大切なのは、失敗する経験をつぶさないで、ということです。
最近では料理も、裁縫や夏休みの宿題なども、材料がキット化されているものが増えました。
失敗しないようにパッケージ化された商品は便利で人気ですが、試行錯誤したり、失敗したりする経験は必須だと思います。失敗から学ぶことは大きいです」(Bさん)
失敗することが大事
ある学校ではこんな体験があったという。
「班に分かれてロールケーキを作る実習がありました。ある生徒が焼きあがったスポンジケーキを持ってきて、『先生、スポンジケーキがなんだか変なんですけど』と言うんですね。
『ちょっと食べてみたら』と言ったら、『塩と砂糖を間違って入れていました!』と。砂糖か塩か迷ったら、入れる前にちょっと舐めて確認してみよう、という発想はないんですね」
だが、その後日談がある。
「砂糖と塩を間違えて入れてしまった張本人の子が『次の授業でもう一回作り直しをさせてください』と交渉に来たんです。
自分のせいで班の全員がケーキを食べられなくなってしまい、そのことを一生、恨まれそうだと(笑)。もちろん許可して、次の授業でその班だけロールケーキを追加で作っていました」
失敗して悔しいと思う気持ち、もう一回チャレンジしたいと思う気持ちが子どもの成長を後押しする。ちなみに再挑戦の交渉に来た生徒は後に東大に合格したという。
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