2025年卒業予定の大学生・大学院生に向けた会社説明会が3月に「解禁」され、就職活動が本格化している。深刻な人手不足を背景に学生優位の「売り手市場」が継続すると見られており、人材確保のため企業は採用活動を早める傾向にある。
文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が2025年卒の学生を対象に実施した2月時点の調査によると、「これまでもらった内々定の数」が1社以上と回答したのは34.5%、前年同期比で4.7ポイント増加した。
新型コロナが感染症法上の5類扱いとなり、オンラインと対面を組み合わせた採用活動が広がる中、今年の就活生はどんな企業に注目しているのか? 文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所が実施している、「就職ブランドランキング調査」から、就活生の関心が高い企業をランキング形式でまとめた。
調査対象者は、就職サイト「ブンナビ!」に登録する現在就活中(2025年春卒業予定)の大学生や大学院生。登録者のうち、大学名を問わず約2万人が回答している。調査期間は2023年10月1日から2024年3月15日まで。「前半」とあるのは、同調査が就活フェーズにあわせて複数回実施しているからだ。
具体的には、3年生の4月から9月の「早期」、10月から3月中旬の「前半」、3月中旬以降から4年生の6月末の「後半」の3回。あこがれやイメージが強い就活の「早期」、インターンシップなどを経て企業を判断できるようになった「前半」、実際の説明会や面接、内定を経たあとにふりかえる「後半」と分けることで傾向の違いを見ている。
総合商社や金融が上位にランクイン
トップは伊藤忠商事だ。属性別の男子、女子、文系でも1位となり、理系は3位にランクインした。20時以降の残業を原則禁止、早朝勤務を推奨するなど積極的な働き方改革で知られる。好業績の総合商社は注目度が高くトップ30には、7位三菱商事、10位丸紅、16位三井物産、24位住友商事という順でランクインした。
金融の人気も根強く、2位日本生命保険、3位大和証券グループ、4位東京海上日動火災保険、9位SMBC日興証券と、上位10社のうち4社を占めた。ただ、2024年同時期の調査で9位だった損害保険ジャパンは、ビッグモーターによる保険金の不正請求の問題を受けてか、68位まで大きく順位を下げた。
「音楽・芸能」「レジャー・アミューズメント」「ゲームソフト」などエンターテインメント系企業のランクイン数は19社で、2024年から5社増加。『呪術廻戦』などヒットアニメを手がける東宝は昨年131位から54位にジャンプアップした。