中国の「株価下支えオペ」、2015年7月に次ぐ規模か 2月の金融統計に「国家隊」の市場介入の痕跡

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国家隊が市場介入したとみられている2月6日、中国のA株(人民元建て株式)市場は急反発を演じた。

代表的な株価指数である上海総合指数は前日比3.23%、深圳総合指数は同6.22%、新興企業が中心の創業板(チャイネクスト)総合指数は6.71%それぞれ上昇。同日の出来高は9000億元(約18兆6444億円)を超え、3824銘柄が値上りした。

ノンバンク向け融資の月間増減額のデータを遡ると、2015年7月と2024年2月の突出した増加がはっきり見て取れる(図表作成:財新編集部)

中国においては、金融システムの安定化基金は公式には存在しない。「国家隊」が事実上の安定化基金と見なされることも多いが、法的な根拠についても財源に関しても、位置付けは不明確だ。

「安定化基金の原則に相反」

過去に実施された(国家隊の)市場介入を振り返ると、介入資金の調達手段に明確なルールが設けられておらず、その時その時の判断で対応してきたことが見て取れる。国家隊の投資状況は(平素から)透明性が低く、第三者が検証可能なデータは公開されていない。

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「中国証券金融の財源のほとんどは商業ベースの借入金であり、資金調達コストが高い。そのため(市場介入に際しては)安値で買って高値で売るオペレーションにならざるを得ない。これは『国民と富を奪い合わない』という安定化基金の基本原則に反している」

重慶市の元市長で金融・経済通として知られる黄奇帆氏は、かつて公の場でそう苦言を呈した。

(財新記者:岳躍)
※原文の配信は3月19日

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