中国の「超富裕層」が4年ぶりに縮小した背景事情 不動産相場の下落と株価低迷がダブルパンチに

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中国の経済成長とともに増加してきた超富裕層は、大きな転機に直面している。写真は海南省の富裕層向け超高級マンション(イメージ)

中国の「超富裕層」が縮小している。調査会社の胡潤研究院が3月19日に発表した2023年版の「胡潤財富レポート」によれば、保有資産が1億元(約21億円)を超える中国で最も豊かな階層の世帯数は2023年1月1日時点で13万3000戸にとどまり、1年前より3.8%減少した。

このレポートは2009年から毎年発表されている。過去のデータを紐解くと、保有資産が1000万元(約2億1000万円)以上の富裕層および同1億元以上の超富裕層の世帯数は、2019年まで一貫して増加し続けていた。

富裕層減少は2019年以来

なかでも2015年と2016年は、中国政府が(景気対策として)実施した住宅取得制限の緩和などを受けて、不動産価格が急騰。それが保有資産の評価額を押し上げ、富裕層の世帯数は保有資産1000万元以上の区分でも1億元以上の区分でも2桁台の急増を見せた。

しかし2017年以降、中国政府が(住宅投機の過熱を防ぐために)住宅取得制限の強化に舵を切ったため、富裕層の増加ペースは鈍化。2019年版の胡潤財富レポートでは、富裕層の増減率が初のマイナスを記録した。

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