あえて電力25%をカット、ピンチをチャンスに転換--ブリヂストン社長・荒川詔四

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 つまり、日本をどう位置づけるかについても、毎年ローリングしながら、つねに評価している。日本には本社や研究開発、鉱山車両用特殊タイヤなど、意図的に高度な機能を置いている。

では、今回の環境変化は何か。まずは電力不足だろう。それに対しては早めに対策を打つが、だからといってグローバルの中での日本の位置づけが急に変わることはない。

──ブリヂストンは今夏、電力の25%ピークカットを行います。

15%ではなく、あえて25%に挑戦する。ピンチをチャンスに変えるのが経営だ。本心では15%カットでも厳しい。しかし追い詰められれば知恵も出る。

大型設備の電力消費ピークの下げ方、コジェネレーションや夜間に大容量の電力を蓄えるNAS電池をメイン電源に使う方法など、新しいノウハウがたくさん出ている。すでに25%カットしてもフル操業を維持できるメドはついた。

日本で節電技術が確立すれば、海外工場にも応用できる。新興国でも電力の抑制は大きな課題であり、日本の技術を応用できれば、有効な解決策となる。もちろん、他社との差別化にもなる。

現在は工場をはじめ、国内の全事業所がどれだけ電力を使っているかが一目でわかるようになった。グループ全体の使用量を下げる中で、各拠点の役割がはっきりするメリットもある。

ただ電力カット目標は増産や工場の拡張がない場合の話。鉱山車両用タイヤを生産する北九州工場では拡張を計画しており、仮に15%カットのキャップをかけられれば、拡張はまず不可能。計画通りできるとは思っているが、予断を許さない。

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