視力や認知機能低下より怖い交通事故になる要因 交通事故率を下げる簡単トレーニングを紹介

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これだけ込み入った状況であれば多くの場所に意識を集中しなければいけません。結果として有効視野が狭くなり、ふいに直進でスピードを出してきたバイクと衝突するというようなことが起こります。

高齢になれば緊張して、自分のコントロールが難しくなります。脳の処理能力の低下があるために結果として有効視野が狭くなります。ではどうすればいいのかというと有効視野を広げるような訓練をすることで視野が広くなり、脳の処理能力が上がるのです。実際に、有効視野を広げることで交通事故率を下げるだけではなく、認知症の予防となりうるという研究データもあります(※2)。

では実際にやってみていただければと思います。

実際に「脳知覚トレーニング」をやってみよう

やり方を説明します。まずは次のクイズを読んでください。

Q1 赤の円上で1つだけ違うマークは、A~Dのどのゾーンにある?
Q2 赤の円上で1つだけ違うマークは、何のマーク?
Q3 緑の円上で1つだけ違うマークは、A~Dのどのゾーンにある?

次に目と写真の距離を20cmに近づけます。

『1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル』より引用

画像中央にある「LOOK!」を両目で見て、そこから視線を動かさないで周りのマークを見ます。そしてクイズに答えます。つい視線をずらしたくなるかもしれませんが、それでも大丈夫です。その後でもう一度、真ん中を見て周りのマークを確認してみてください。答えがわかるかどうかではなくて、判別しようとすることが大切です。

余裕がある人は、各円の違うマークがあるゾーンをパッと素早く判別してみましょう。スピードを意識すると、より効果的です(体調に異変を感じたら、直ちに中断してください)。

クイズの答え Q1:D、Q2:ぶどう、Q3:A
(※1) NeuroRehabilitation. 2014;35(4):771-8
(※2) Alzheimers Dement 2017603-611
1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル 脳知覚トレーニング28問
『1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル 脳知覚トレーニング28問』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
平松 類 眼科医/医学博士

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ひらまつ るい / Rui Hiramatsu

愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。現在、昭和大学兼任講師、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長、三友堂病院非常勤医師・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。延べ10万人以上の老人と接してきており、老人患者が多い病院の眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。医療コミュニケーションの研究にも従事し、シニア世代の新しい生き方を提唱する新老人の会の会員でもある。専門知識がなくてもわかる歯切れのよい解説が好評で、連日メディアの出演が絶えない。

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