経団連も動いた、夫婦別姓「第3次訴訟」で新展開 国を12人が提訴「日本以外の国は両立している」

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原告で事実婚11年目の上田めぐみさんは「氏名は自分そのものだ」と話す。一方、夫が子どもの親権を持てないことで、金融機関での手続きで不便な目に遭ったことがあり、自分にもしものことがあったときへの不安もある。「法律婚をするか姓を変えないかの選択はものすごく過酷だということを、裁判官には理解してほしい」と訴える。

過去にも夫婦同姓規定は違憲だとする訴訟が起こされたが、最高裁判所は2015年と2021年に、家族の呼称を一つに定めることには合理性がある、改姓による不利益は通称使用の拡大で一定程度緩和されるなどとして、夫婦同姓規定を「合憲」と判断している。

今回は、別姓で結婚ができることの確認や、必要な法改正をしない国の行為は違法であることの確認などを求めており、別姓で提出した婚姻届の不受理処分の取り消しなどを求めた過去の訴訟と形式は異なる。ただ「(夫婦同姓規定が)憲法違反だという判断を求めていることは変わらない」(寺原弁護士)。

最高裁が判断を変えた事例は少ない。その中で「違憲」判決が下されるかどうかにおいては、学説や社会の変化が判決に反映されるかどうかが重要になる。弁護団によると、2015年以前は夫婦同姓規定が違憲だとの見解は多数説だと明確には言えなかったが、「現在は違憲説が多数説だと憲法の権威ある本でも紹介されるようになった」(寺原弁護士)。

地方議会からの意見書が次々と可決

社会的には、晩婚化や共働き世帯の増加により、結婚前の姓を使用し続ける必要性が高まっている。これを受け、地方議会では、国会や政府に対し選択的夫婦別姓の導入を求める意見書が、次々と可決されている。選択的夫婦別姓・全国陳情アクションによると、地方議会で可決された意見書は、2015年の合憲判決以前は50件だったが、2024年3月時点で380件以上にもなった。

国を提訴した3月8日は国際女性デー。原告団が横断幕を持って東京地裁に入場した(記者撮影)
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