感染症と文明 共生への道 山本太郎著
現代では小児の病気として知られる麻疹(はしか)、水痘、おたふく風邪といった感染症は、小児に対して特に高い感染性を持つわけではない。成人の多くが免疫を持つ社会では、子どもたちが唯一の感受性者となるため、小児疾病のように見えるにすぎないという。
急性感染症が小児疾病ではなかった時代には、数十年置きに突発的に流行する急性感染症は、社会全体に時として壊滅的な影響を与えてきた。人類は感染症との闘いに勝利できるのか。ハイチなどで感染症対策に従事した経験を持つ著者は、病原体の根絶ではなく共生が必要と説く。たとえそれが人類にとって心地よいものではないとしても。
古代文明以来続く感染症と人類との関係を振り返る。
岩波新書 756円
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