「数値化こそ正義」と信じる人が大抵陥る落とし穴 なぜ数値化ができても行動を変えられないのか
数値化ができても、行動を変えられない。
そんなビジネスパーソンがいらっしゃるのです。ひとりやふたりではありません。たくさんいらっしゃいます。私はこの目で見てきました。
なぜそのような事態が起こってしまうのでしょうか。
数値化には「覚悟」が必要
ひとことで言えば、「覚悟」の問題です。数値化を実際に行い、成果に結びつけるメンタリティを持っていないのです。
数値化によって、あいまいな状態を排除することができます。しかし、これは裏を返せば、これまであいまいな状態で許されていたものが、強制的に白黒はっきりついてしまうことも意味します。
数値化するということは、「アイツよりも俺のほうが昇格するべきだ」という主張に対して「YES/NO」をはっきりさせてしまうことでもあるのです。
そこで、管理職など意思決定することが求められるビジネスパーソンの皆様には、「数値化を本当に実行する覚悟があるか」を測る3つの質問を研修でご紹介するようにしています。
じつは、この3つの質問への答え方で、ビジネスの現場で数値化できるかどうかがわかってしまいます。
Q1 なぜそのテーマで(その対象を)数値化する必要があるのでしょうか?
Q2 正直なところ、本当に数値化したいと心から思っていますか?
Q3 実際の数値を見て、素直に行動しますか?
まず「Q1」は当然でしょう。ビジネスにおいて目的のない数値化など存在しません。
次に「Q2」は覚悟の有無を問うものです。数値化するということはあいまいな状態を破壊し、明確に「AよりもBのほうが大きい、だからBを選ぶべき」という情報を作ることに他なりません。
すなわち、評価や意思決定しない(できない)理由がなくなるのです。あなたにその覚悟がおありですか、という質問にYESと答えられるかどうかは極めて重要でしょう。
最後の「Q3」は数値化した結果を信じて行動しますか、という趣旨の問いです。いくら数値化を試みたとして、その結果が「自分の直感とは違う結果なので参考にならない」や「数値はあくまで数値。そうは言っても現実はねぇ……」という逃げのスタンスの方は、いくら数値化の技術や思考法を身につけたとしてもまったく役に立たないでしょう。
数値化する以上は、その数値から得られる結論には素直でなければなりません。
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