新装版 原子炉解体 石川迪夫編著

新装版 原子炉解体 石川迪夫編著

これこそまさに「造るはやすく、果つるはかたし」というのだろう。日本初の原子炉の解体作業を克明に記録したのが本書。この1・5万キロワットの実験炉ですら、廃炉は難作業だった様子がわかる。福島原発の解体となれば、その大変さは想像にかたくない。

1963年に建造された旧日本原子力研究所の動力試験炉は76年に停止し、その解体作業は約10年に及んだ。放射能に汚染された炉心、格納容器、建屋を除染・解体し、汚染が少ないものは廃棄、多いものは隔離して、放射性廃棄物は保管場所へ移送。保管は厳重な監視の下、最低でも300年に及ぶ。

解体過程では、さまざまなロボットの利用や放射線測定下での作業管理などに多大な時間と費用を要した。その後、諸外国でいくつもの廃炉作業が手掛けられているが、廃炉の基本手順に大きな変化はない。今後の原発政策を考えるうえで、本書は貴重だ。93年発刊の新装版。

講談社 1995円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 晩婚さんいらっしゃい!
  • おとなたちには、わからない
  • 野口悠紀雄「経済最前線の先を見る」
  • 日本野球の今そこにある危機
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
改正対応待ったなし!<br>働き方と仕事の法律

同一労働同一賃金の本格化、中小企業でのパワハラ防止対策の義務化など、今年は重要な改正法の施行が目白押し。2022年に施行される法律の要点に加え、昨年の4月に施行された改正民法も総点検。改正ラッシュへの備えを万全にするための法律虎の巻です。

  • 新刊
  • ランキング
東洋経済education×ICT