借りた本がない? 猫写真持ってきたら許すにゃ アメリカの図書館「超ぬるい」利用者救済作戦
図書館の利用促進につながるクリエイティブな方法を考えようと集まった図書館の対策部隊が数カ月にわたってブレインストーミングを行った結果、「マーチ・ミャオネス」のプログラムがまとまった。
「そこから良いスパイラルが始まった」とホーマーは話す。「私たちはとにかく、可能な限り障壁を下げる方法を探っていたんです」。
同市図書館システムの7つの分館ではこれまでに10万1601枚ほどの図書館利用カードが発行されている。うち利用停止処分となっているのは4297枚で、そのうちの300枚の持ち主は学生、しかもほとんどが小学生だった。
そういうわけで、「大丈夫だよ、許してあげるから。猫の写真を見せてくれるだけでいいんだ」というプログラムになったのだと、とホーマーは説明した。
「図書館員は怖い」という固定観念も覆すにゃ
同図書館はこれまでに、返却遅延に対する罰金の徴収を停止していたが、紛失物に対する手数料の支払いに直面した利用者の多くは、図書館に近寄らなくなっていた。2016年に図書館から借りたDVDを紛失したある女性利用者は、「モチ」という名前の猫の写真を見せて図書館を再び利用できるようになった。
キャットツリーの上で伸びをしたり、犬を無視したり、椅子やカーペットの上に座ってカメラをのぞき込んだりしている猫の写真が、利用者によって次々と提出されている。
ホーマーは、借りた本などを紛失したり破損したりした利用者を許す手段として猫を使うことで、「図書館員は厳しい」という固定観念も和らぐかもしれないと話す。
「図書館にはもう、高い位置でお団子を結ったヘアスタイルで『しぃーっ』と言うような職員はいません」とホーマーは言う。「私たちが本とカーディガン、そして猫好きなのは変わりませんけどね」。
(執筆:Christine Hauser記者)
(C)2024 The New York Times
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