借りた本がない? 猫写真持ってきたら許すにゃ アメリカの図書館「超ぬるい」利用者救済作戦
ホーマーは4日のインタビューで、猫の写真や絵を持ち込んで図書館の利用停止が解除され、再び本を借りることができるようになった利用者は400人近くに上っていると話している。持ち込む写真や絵は、どんな猫のものでもいい。実際、どんな生き物のものでも大丈夫だ。
「たくさんの動物を猫として受け入れている。支配できない動物なら何だっていいんです」とホーマー。
猫を飼っていなくても心配はない。児童書『スーパーヒーロー・パンツマン』を返却しなかった7歳の男の子は猫を飼っていなかったが、職員から渡されたスケッチ用紙とクレヨンで猫を描くと、図書館カードの利用停止が解除された。
猫写真プログラムが生まれた背景
ボストンの南西に位置する約20万人(とその飼い猫)が住む都市ウースターにある同図書館は、アメリカの多くの公共図書館と同様、新型コロナウイルスのパンデミックによって人と距離を取って過ごすようになった孤独な日々から市民を立ち直らせようと取り組んでいる。
パンデミックの間、ワクチン接種会場として使用されていた同市の図書館は、活気あるコミュニティスペースとして復活し、ハンドメイド教室や健康講座、詐欺被害防止セミナーなどが開催されている。
ホーマーによると、パンデミックが始まった当初、多くの人が引越し時に本を失くしたり、教室に再び戻ってくるまでに長い時間がかかるとは思いもしなかった生徒たちが教室に本を置き忘れたりしたという。
同図書館がサービスを提供しているのは、一般に複数の仕事を掛け持ちしている家庭の多い街中の人々であり、罰金の徴収は逆効果だとホーマーは語った。
「生活が障害となる場合があるのはわかっているので」
同図書館はこれまでにも、缶詰食品の寄付活動によって罰金を免除し図書館利用を促すプログラムを試みてきたが、今回、人々の注目を引きつける猫たちに白羽の矢が立った。