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テレワーク制限を始めた巨大IT企業という「逆説」 「SNSで歪んだ自由民主主義」を救うのは何か

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古川:私は『新自由主義と脱成長をもうやめる』のなかで、今の若い子たちは完全にアトム化してしまっていて、みんなで話し合って自分たちで自分たちの社会をつくるなんて、そんな面倒くさいことだけはしたくないようだと言いましたが、ひょっとしたら変わっていくかもしれません。面倒でやりたくないと思っていたけれど、あまりにもそれがなくなると、もっとつらいということをコロナで思い知らされたという子もいました。複数の人間が寄り集まって、直接言葉を交わしながら共同で何かをやっていくということは、面倒だけどやってみると楽しいものだというふうに、もし変わっていけば、まだ希望はあるかもしれません。

若い人だけではなく大人も同じで、地域の祭りなどの行事を見ても、明らかにコロナ前よりも賑わっていて、みな生き生きとしています。私もなるべく積極的に足を運ぶようにしていますが、「やっぱりこういうのはいいなぁ」という声をよく耳にします。そういう地域の小さな共同体の公共的な活動のよさや大切さを、コロナを契機に再発見したという人は多いはずで、国や自治体がそれを本気で後押ししていけば、本当は変わっていくはずだと思うんですけどね。

「演劇性」の再発見で自由民主主義を再生させよ

佐藤 健志(さとう けんじ)/評論家・作家。1966年、東京都生まれ。東京大学教養学部卒業。1990年代以来、多角的な視点に基づく独自の評論活動を展開。『感染の令和』(KKベストセラーズ)、『平和主義は貧困への道』(同)、『新訳 フランス革命の省察』(PHP研究所)をはじめ、著書・訳書多数。さらに2019年より、経営科学出版でオンライン講座を配信。『痛快! 戦後ニッポンの正体』全3巻、『佐藤健志のニッポン崩壊の研究』全3巻を経て、現在『佐藤健志の2025ニッポン終焉 新自由主義と主権喪失からの脱却』全3巻が制作されている(写真:佐藤健志) 

佐藤:その意味では、もっと演劇に盛んになってほしいですね。演劇と映画の最大の違いは、クローズアップがないこと。つまり舞台では、いつでも役者の全身が見えるわけです。言い換えれば「言葉による意識的なコミュニケーション」と「身体や空気による無意識的なコミュニケーション」が、たえず同時に行われる。

これこそ、舞台の感動が非常に濃密なものとなりうる秘密です。役者は言葉と身体の双方で話すことにより、演じる人物の内面を丸ごと提示する。演劇とは、人間が最も深いレベルでわかり合える可能性を追求する芸術なのです。そのような相互理解が成立するとき、社会的な合意が形成されないはずはない。

座談会の第2回で紹介したジャン・ジロドゥは、「芝居がむしばまれたら、国民もむしばまれる」と喝破しました。自由民主主義が生きのびる道は、人生の演劇性を再発見することで、ボディ・ポリティックの身体性を取り戻すことにあると言えるでしょう。

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