「27浪で遂に掴んだ慶應合格」45歳新入生の挑戦 合格を掴んだこの1年の奮闘、今後の夢も聞く

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26浪目から、現役時代から得意だった国語に加え、社会の点数も安定し始めたという順風満帆の浪人生活を送っているように思えたえぐざまさん。

しかし、彼が目指す難関大学に合格するには、克服しなければいけない最大の課題が残っていることを、彼自身も自覚していました。

それは、彼が「最も苦手である」と語る英語です。英検2級に受かったとはいえ、英語力をさらに伸ばすことは、彼が本命として考えている東大・京大の大学院入試でも必要であり、最重要課題でした。

だからこそ、彼は2023年4月からの27浪目をスタートするにあたって、今までの自分を変える取り組みをしていったのです。

27浪目で重大な欠点に気がつく

何かを変えなければ、東大・京大の大学院入試合格に届かないと危機感を抱いたえぐざまさん。そこで、彼は英検1級の合格者である京大卒の家庭教師に指導を受け、英文解釈の基礎からみっちりと勉強することにしました。

その家庭教師の口癖は「英語は漬け物」でした。

「習ったことの成果は半年から1年ぐらいかかる」というもので、あるとき、ふと自分が理解していることを実感するという考え方です。

英語での成功体験に乏しいえぐざまさんにとっては半信半疑でしたが、今までの自分を変えるために何もしないわけにはいかないので、家庭教師を信じ、二人三脚生活の受験生活が始まります。

その教師の指導で彼は、27浪目にして重大な欠点に気づくことになりました。

えぐざまさんは、英語は苦手でも国語は抜群に得意で、かつては塾でも国語講師をしていたほどでした。しかし、だからこそその読解力を英語でも生かそうとしており、「なんとなく適当に英文を読んでいたこと」を家庭教師が発見したのです。

大意を掴むことも大切ですが、文構造が掴めていなかったのです。細かい文章の構造を見抜けていなかったことに気づきませんでした。第5文型のSVOC(主語・動詞・目的語・補語)を見抜こうなんて贅沢なことは言えないので、OCは度外視して、複雑な構造であっても、その主語と動詞だけを捉えて読むことだけを考えました」

この1年の家庭教師との勉強は、少しずつ成長を見せます。

2年前に2級を受けたときに1952点だったCSEスコアは、準1級で2182点を取れるまでになりました。こうして彼は、苦手だった英語でも少しずつ成功体験を獲得しました。

京都大学大学院の秋入試は不合格だったものの、着実に力をつけながら、2024年度の学部の一般入試を迎えることになります。

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