「100年人生」提唱者が日本の若者に伝えたいこと 新社会人も知っておきたい動と静のメリハリ

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私は著書『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』の中で、「無形資産」という概念を提唱しました。学び続ける力(生産性資産)や、健康・友人関係を維持する力(活力資産)、そして変化に対応する力(変身資産)です。これからの時代、この3つの力はさらに重要になってくるでしょう。

変化が激しい世の中において生涯学習は不可欠ですから、生産性資産の重要性については論を俟たない。また活力資産の中では、とりわけ友人関係を維持することが重要です。

注意しなければならないのは、友情や愛情を人から機械に移行しないようにすることです。機械はあなたの友達のふりをすることもできるし、愛しているふりをすることもできます。でもそれは、単にプログラミングによってそのように訓練されているだけ。話を聞き、共感し合える友人がいるかどうかは、精神的な健康に大いに影響を及ぼします。

一方、変身資産については、良好な機械とのパートナーシップが、あなたの変身を助ける可能性があります。人間と機械の協業は、互いを補完し合い、パフォーマンスの向上が期待できる。いずれにしても人間だからこそ、これら3つの無形資産を培い、発展させていくことができるのです。

考えることの大切さに気づく

日本では『16歳からのライフ・シフト』が出版されました。若い世代をターゲットにした本書がどのように受け止められるか、非常に興味があります。

若い世代にとって、もしかしたらライフ・シフトの概念は複雑に感じるかもしれません。でも彼らが自分の人生を生き始めるとき、1つの考え方のモデルになるのではないかと思います。

16歳前後というのは、自分の人生について少しずつ考え始める時期です。また、これから自分の子供がどのような道を歩んでいくのか、少なからず不安に感じている親もいるのではないでしょうか。

私たちがそうであったように、子供たちもまた、まずは親の世代をモデルにして将来を考えるのではないかと思います。多少変化はあるかもしれないけれど、おそらく親と同じような人生を歩むのだろうと、漠然としたイメージを持っています。

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