「100年人生」提唱者が日本の若者に伝えたいこと 新社会人も知っておきたい動と静のメリハリ

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ただ実際には、生成AIをはじめとして、世界中でさまざまなことが変わってきています。たとえばアメリカの労働市場を見ていると、今は30%の人がフリーランスで働いています。バンク・オブ・アメリカのような伝統的な企業でさえも、サバティカル休暇など、柔軟な休暇取得ができるようになりました。

今後は企業制度のみならず、教育制度も変わっていくでしょう。新しい選択肢が増えると同時に、今まであったはずの選択肢がなくなることもあります。それらは十分に想像しきれません。

そんな中で私たち親や祖父母の世代ができることといえば、「教育」「仕事」「引退」という従来の3ステージの生き方はもう有効ではないと、子供が気づくのを助けることだけです。それはつまり「考え方を教える」ということです。

10代のうちから自分の人生とじっくり向き合うことは難しい。私がそうであったように、友達と一緒におしゃべりするほうが楽しいですから。でも今の若い世代は、最初から3ステージではない人生を生きていく最初の世代です。考える癖や習慣をつけることによる日々の小さな気づきや変化が、やがて新しい道を開くと思います。

だからこそ自分で考えて行動する習慣を身につけさせることが非常に重要なのです。そして『16歳からのライフ・シフト』が考えることの大切さに気づくきっかけになれば、著者冥利に尽きますね。

日本の子供たちに伝えたいこと

私が日本の16歳の子供たちに唯一、具体的なアドバイスをするとしたら「英語を学びましょう」ということです。日本以外では、世界中どこにも日本語を話す人がいません。すると旅行するにも言葉の壁が立ちはだかり、どこに行っても日本人としか過ごせない状態になってしまいます。これは非常に不利です。

たとえばインドで高等教育を受けた人は皆、英語を話せますから、アメリカに渡ってロボット工学を学ぶことができます。そのままアメリカに滞在してもいいし、その知識をインドに持ち帰ってもいい。でも英語が話せなければそれができません。つまり、グローバルな労働市場に自分たちをその一部として組み込むことができないということです。

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