自閉症の人と自然に接してもらいたいという気持ちを込めて撮影しました--映画『海洋天堂』 シュエ・シャオルー監督

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 また大きな問題として、民間の自閉症の施設は幼児、子どもが対象。というのは自閉症と診断された後、3、4歳から6、7歳がいちばん効果的な訓練ができるといわれています。だからほとんどのそういう民間施設は、そうした児童、小さな子を対象にしていて、今回の映画のように成年に達した自閉症の患者の受け入れ先がない。これはほんとに空白の状態です。

--映画の中で、周りの皆さんが自閉症の息子、ターフーにごく自然に温かく接していました。今までの活動の中で出会った、制度が不十分でも、みんなで守っていこうという人たちなのでしょうか。

私が知るかぎりでは自閉症の子どものいる親御さんの友達といった、彼らをよく知ってる人たちは自然にそうした子どもたちと接しています。逆にそうではない人というのは、自閉症そのものについての理解が少ないので、行動を見てそれが怖いとか、どうしていいかわからないという対応をしてしまう。だから、自閉症の子を遠ざけてしまう人がやっぱり多い。

今回の映画の中で、自然に接する周りの人たちを描いたのは、私の理想もあります。あとは、こういうふうに接してもらえたらなという期待もある。
 
 だから普通に善意を持って彼らに接すれば決して恐ろしい人たちではなく、すごくかわいげのある人、ということがわかってもらえたらなという気持ちを込めて撮影しました。

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