日本の季節行事は「食品廃棄の温床」という現実 外国人が驚く「商品の種類」とパッケージの美さ
イタリアに住んでフードライターをしていて、よく困ることの1つに、日本の編集者の人から「今、イタリアでブームの食べ物を教えてください」などと聞かれることだ。
ちょっと前に爆発的ブームになって驚いたマリトッツォ、今も現在進行中らしいトリュフ、そして古い話で恐縮だがティラミスなどなど、どれも日本ではすごいブームを巻き起こしたらしいが、イタリアでは食べ物があんなふうにブームになったりはしないからだ。
あれだけ日本で大ヒットしたマリトッツォはローマのお菓子だから、そもそも他の州の人は知らないし(ローマから700キロ離れたトリノに住んでいる私も、日本でブームになってから初めて知った)、トリュフはお金持ちのグルメたちが季節になったらレストランへ出かけて行って贅沢に食べるものであって、トリュフ風味のラーメンだのポテチだの、ファミレスでもトリュフだのと、富豪から庶民まで右へ倣えと食べまくる日本の現象は不思議としか言えない。
ティラミスは今も昔も大好きで、ブームが去ったからもう食べないなんていうことはまったくなく、ずっと愛され続けている。だから爆発的に製造して、ある日、急に飽きられて廃棄されることもないし、流行に乗った店舗自体ができては消え、消えてはできる、なんていう反持続可能性な現象もあまり起きない。
食品の種類が多すぎる日本
日本は商品の数が異様に多いこと、そしてどの商品もパッケージデザインが凝っていて魅力的なことも、海外から見たらびっくりする点だ。
イタリアにはコンビニがないから、日本に一時帰国する度に面白くて、ついフラフラと入ってしまうのだが、そんな時、毎回のように驚くのが、たとえばお茶や清涼飲料水など、飲み物類の種類の多さだ。緑茶ひとつとっても、同じような商品のメーカー違いが何種類も並んでいる。種類が多いだけでなく、ボトルのデザインやネーミングも凝っていて、ついつい手に取り、あげく買いたくなってしまうのだ。
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