日本の季節行事は「食品廃棄の温床」という現実 外国人が驚く「商品の種類」とパッケージの美さ

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

イタリアに住んでフードライターをしていて、よく困ることの1つに、日本の編集者の人から「今、イタリアでブームの食べ物を教えてください」などと聞かれることだ。

ちょっと前に爆発的ブームになって驚いたマリトッツォ、今も現在進行中らしいトリュフ、そして古い話で恐縮だがティラミスなどなど、どれも日本ではすごいブームを巻き起こしたらしいが、イタリアでは食べ物があんなふうにブームになったりはしないからだ。

あれだけ日本で大ヒットしたマリトッツォはローマのお菓子だから、そもそも他の州の人は知らないし(ローマから700キロ離れたトリノに住んでいる私も、日本でブームになってから初めて知った)、トリュフはお金持ちのグルメたちが季節になったらレストランへ出かけて行って贅沢に食べるものであって、トリュフ風味のラーメンだのポテチだの、ファミレスでもトリュフだのと、富豪から庶民まで右へ倣えと食べまくる日本の現象は不思議としか言えない。

ティラミスは今も昔も大好きで、ブームが去ったからもう食べないなんていうことはまったくなく、ずっと愛され続けている。だから爆発的に製造して、ある日、急に飽きられて廃棄されることもないし、流行に乗った店舗自体ができては消え、消えてはできる、なんていう反持続可能性な現象もあまり起きない。

食品の種類が多すぎる日本

日本は商品の数が異様に多いこと、そしてどの商品もパッケージデザインが凝っていて魅力的なことも、海外から見たらびっくりする点だ。

イタリアにはコンビニがないから、日本に一時帰国する度に面白くて、ついフラフラと入ってしまうのだが、そんな時、毎回のように驚くのが、たとえばお茶や清涼飲料水など、飲み物類の種類の多さだ。緑茶ひとつとっても、同じような商品のメーカー違いが何種類も並んでいる。種類が多いだけでなく、ボトルのデザインやネーミングも凝っていて、ついつい手に取り、あげく買いたくなってしまうのだ。

「ヌテッラ」のコレクション瓶
世界中で人気の「ヌテラ」のコレクション瓶。私が暮らすピエモンテ州で生まれ、ヌテラを生み出した「フェレロ」が繰り出す、季節やイベントごとにデザインが変わるヌテラのパッケージ。イタリアで数少ない「必要ではないけれど買いたくなってしまう」食品だ(筆者撮影)
次ページ便利な暮らしを追求した結果、商品の種類が溢れかえった
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事