昼下がりに眠気が強くなる人の体に将来迫る危険 血糖値の急変動に覚えがあるなら生活上の工夫を
みなさんは「食後高血糖」と「血糖値スパイク」という言葉をご存じでしょうか?
「食後高血糖」というのは、文字どおり食後の血糖値(正常140㎎/㎗未満)が高いことです。通常、健康診断で測る「空腹時血糖値」(正常110㎎/㎗未満)とは判断基準が異なります。
食事をとった後、誰でも血糖値はある程度上がるのですが、その上がり幅が大きいのが「食後高血糖」です。
健康診断で血糖異常と判断されるのは「空腹時高血糖」(空腹時血糖値が110㎎/㎗以上)ですが、空腹時血糖値が異常となる10年ほど前から、食後高血糖が生じていることが報告されています。
そして、食後高血糖は、その後、遅れて分泌されるインスリンというホルモンの影響で、急ブレーキのように血糖値が急峻に下がるという現象に続きます。
血糖値の乱高下が生じる
この血糖値が急激に上がって、その後急峻に降下する様を「血糖値スパイク」と呼びます。「食後高血糖」から血糖値の乱高下(すなわち「血糖値スパイク」)が生じるのです。
ここでご理解いただきたいのは、糖質疲労と名づけた様々な症状は、この「食後高血糖」と「血糖値スパイク」の影響で生じているということです。
もちろん、食後の眠気や疲労感などには、睡眠不足や過労など基本的な体調の問題や、睡眠時無呼吸症候群など別の病気が原因の場合もありえます。ですので、食後に体調不良を感じていれば、そのすべてが「糖質疲労」というわけではありません。あくまでも「食後高血糖」や「血糖値スパイク」により感じている食後の体調不良が「糖質疲労」です。
一般的な健康診断でチェックするのは空腹時の血糖値なので、「食後高血糖」や「血糖値スパイク」について、健康な人が知る機会はまずありません。
しかし、これらの現象が、今日のパフォーマンスと明日の健康を脅かしているのです。
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