企業が正しい方向へ進むためには?
企業に共通善を促進させるためには、具体的にどういう政策を取るのが最もいいのか。これは難問だが、この問いを考えること自体が、正しい方向へ進む第一歩になる。
ヘンリー・フォードは、どうすれば社会全体と従業員の両方を幸せにできるかとみずからに問い、安価な車と高い賃金という答えにたどり着いた。グレンビル・ドッジは、米国社会には大陸横断鉄道が必要だと確信し、鉄道そのものを犠牲にしてでも、コストを切り詰めて株主に過剰な配当を支払おうとするユニオン・パシフィック鉄道のほかの重役と闘い続けた。
もうひとつ、同じぐらい重要なことがある。それは共通善については、答えるのがむずかしい問いがある一方、答えが明白な問いもあるということだ。
投資家の無知につけ込んで、利益を貪る企業は、間違っている。自社を倒産させておいて、経営者に大金を支払う企業は、間違っている。環境への悪影響があることを隠す企業は、間違っている。顧客のデータが盗まれたときに見て見ぬふりをする企業は、間違っている。



















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