ホンダ新「CR-V」日本導入、燃料電池車だけの訳 水素+プラグイン充電機能を持った新型SUV登場

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一般的なSUVは、凹凸のある悪路走行時に路面との接触を防ぐために、フロントオーバーハングが短めに設定され、フロントのアプローチアングルと呼ばれる対地障害角が大きくなっていることが多い。しかし、CR-V e:FCEVの実車を見た印象は、フロントノーズの長さが強調され、セダンやクーペのようにスタイリッシュかつスポーティな印象を受けた。さらにフロントグリルも北米仕様のハニカム構造から横に流れるようなフィン形状に変更されて都会的なスタイルが強調される。

ちなみにボディサイズは、ベースとなっている北米仕様が全長約4694mm×全幅約1864mm×全高約1692mm、ホイールベース約2700mm(すべてインチから換算)。一方のCR-V e:FCEVは、全長4805mm×全幅1865mm×全高1690mm、ホイールベース2700mmとなり、全長以外はほぼ同サイズになる。

ホイールは18インチを採用
ホイールは18インチを採用(筆者撮影)

車格的には、トヨタの「RAV4」が全長4600~4610mm×全幅1855~1865mm×全高1685~1690mm、「ハリアー」が全長4740mm×全幅1855mm×全高1660mmなので、比較的近い寸法となる。また、RAV4やハリアーにも2.5Lプラグインハイブリッド車の設定があるので、直接的なライバルになりそうだ。

インテリアデザイン

CR-V e:FCEVのインテリア
CR-V e:FCEVのインテリア(筆者撮影)

インテリアに関しては、水平基調のダッシュボードに、現行シビックなどでも用いられているハニカムメッシュパネルの採用など、基本的には北米仕様と同様となる。ただし、CR-V e:FCEVでは、環境に配慮したバイオ合皮をシートに採用し、サスティナブルな素材を盛り込んでいるところなどが異なる。さらに12個のBOSE高性能スピーカーも標準装備となる見込みだ。

また、大きな水素タンクを搭載するFCEVの場合、気になるのが居住性だろう。CR-V e:FCEVは、後席とラゲージスペースの下部に水素タンクを搭載しており、前席に関しては北米仕様のガソリン車/ハイブリッド車と同じシートポジションとなる。後席についても多少シートポジションは上がっているが、それでも十分なヘッドクリアランスが確保されていた。このあたりは、セダンではなく、背の高いSUVがベースなので空間を確保しやすいというメリットもあるだろう。

CR-V e:FCEVの後席
CR-V e:FCEVの後席(筆者撮影)

また、ラゲージスペースは、水素タンクがあるため、かなり制約を受けている印象で、大きな段差が生まれている。ただ、高さを変えられるフレキシブルボードをラゲージスペース後方に設定し、うまく段差を活用した設計が印象的だった。

CR-V e:FCEVのラゲージスペース。水素のタンクを搭載している関係で、大きな張り出しがある
CR-V e:FCEVのラゲージスペース。水素のタンクを搭載している関係で、大きな張り出しがある(筆者撮影)

例えば、フレキシブルボードを下段に設置すれば、十分な高さが確保できるので大きな荷物も積みやすい。また、フレキシブルボードを上段に設置した場合は、ベビーカーのような大きな荷物も載せられるという話だった。さらにフレキシブルボードを下段にすれば、トノカバーのようにもなるので下段の荷物の目隠しにも使える。

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