ホンダ新「CR-V」日本導入、燃料電池車だけの訳 水素+プラグイン充電機能を持った新型SUV登場

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今回、国内投入が決定したCR-V e:FCEVは、その6代目をベースに新型燃料電池システムを搭載したモデルとなる。ちなみにCR-V e:FCEVは、2024年夏頃に日本に加えて北米でも販売される見込みだ。

6代目CR-Vは、燃料電池システムをホンダとゼネラルモーターズ(GM)で共同開発し、車両はオハイオ州メアリズビルにある四輪生産拠点「パフォーマンス・マニュファクチュアリング・センター(PCM)」で生産され、日本に届くので逆輸入車という形になる。近年、ホンダはインド生産のWR-V、中国生産の「オデッセイ」など、海外生産モデルの日本投入が増えているが、新型CR-Vも同様と言えるだろう。

余談だが、アメリカのパフォーマンス・マニュファクチュアリング・センターと言えば、2022年12月をもって販売終了となった和製スーパーカー「NSX」の生産拠点だった場所だ。特殊な組み立て工程に適した場所ということで、FCEVの生産を担うことになったとホンダは語る。

世界初公開となる新型CR-V e:FCEV

CR-V e:FCEVのリヤビュー
CR-V e:FCEVのリアビュー(筆者撮影)

6代目CR-Vは、前述のとおり日本未導入ながらが北米で販売されている車種だが、燃料電池車となるCR-V e:FCEVは世界初公開となるモデルだ。ちなみに2023年11月に開催された「ENEOS スーパー耐久シリーズ2023 Supported by BRIDGESTONE 第7戦 S耐ファイナル 富士4時間レース with フジニックフェス」の会場に、新型CR-VのFCEVが展示されたが、こちらはあくまでコンセプトモデルで、市販モデルとしての公開は今回が世界初という話だった。

また、現在販売されているFCEVは、トヨタの「MIRAI」や「クラウン(セダン)」などのセダンモデルが中心で法人ユース主体と言えるが、CR-V e:FCEVはSUVをベースにすることで個人ユーザーのニーズにも応える商品となっている。さらにFCEVの場合は、水素ステーションを探すのに苦労することも多いが、CR-V e:FCEVはプラグインハイブリッド車のように外部から充電可能になっていることも特筆すべき点だろう。

フロントフェンダーには、普通充電と外部給電に対応したAC充給電口を備える
フロントフェンダーには、普通充電と外部給電に対応したAC充給電口を備える(筆者撮影)

ちなみに水素による発電に加え、プラグイン充電機能を備えた燃料電池車は日本メーカーでは初の試みとなる。これにより、燃料電池車の課題だった水素充填と、BEV(バッテリー式電気自動車)等の走行可能距離の短さというデメリットをカバーし、利便性を高めているのだ。ちなみに水素充填1回あたり走行可能距離は600km以上、EV走行可能距離は60km以上となる見込みだ。

次ページ外観は北米仕様と非常に近いが、全体的に都会的で洗練されたスタイルに
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