生肉を「よかれと思って」子犬に与えた主人の後悔 ビーグル犬の体内で起きていた「悲しい変化」

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たしかに、遺体は一見して四肢の骨や背骨、肋骨などが変形して大きく曲がっています。病理解剖を進めると、関節もひどく腫れていることがわかりました。

実は、これは成長期の子犬にしばしば見られる、ある病気の典型的な所見です。骨や軟骨の成長に異常が起きて、骨が湾曲したりすぐに骨折したり関節が腫れたりする病気で、「くる病」と呼ばれます。

この病気は、骨の成長に必要なカルシウムやリンのアンバランス、ビタミンDなどの不足が原因で起こります。

カルシウムやリン、ビタミンDが不足した骨は弱くて軟らかくなり、曲がったり折れやすくなったりするのですね。骨が弱くなることに加えて、関節が腫れたり、筋肉や関節に負担がかかり、歩行障害が起きることもあります。

栄養素の偏った食事で病気に

子犬の場合、極端に栄養素の偏った食事を与えていると、しばしばくる病が起こります。

そこで、飼い主さんに毎日どんなエサを与えていたのか尋ねてみると、案の定「猟犬で丈夫なイヌだし、いつも生肉をあげていた」という答えが返ってきました。

「イヌやネコは肉食動物だから、いろいろ混ぜたエサより肉を食べさせる方がいいだろう」

「加工されたペットフードより、自然のままの生肉を食べる方がイヌやネコも幸せだろう」

そう考えて、飼っているイヌやネコに生肉を与えている飼い主さんが時々います。わざわざ手間と費用をかけて生鮮の肉を与えるわけですから、その動物の幸せを思っての行動なのでしょう。

しかし、肉食動物といっても、実際のところは肉だけを食べて生きているわけではありません。

彼らは野生下で草食動物などを獲物として捕まえたら、肉と一緒に血液や内臓、消化管内の内容物(つまり、半ば消化された草など)も食べているのが一般的です。

したがって、飼いイヌや飼いネコに「生肉だけ」といった極端に偏った食事をさせていると、成長や健康維持のために必要な栄養素が不足して、くる病などの病気になります。また、生肉はぼくたち人間にとっても食中毒のリスクがあるのと同じように、イヌやネコにとっても衛生上の懸念があります。

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