生肉を「よかれと思って」子犬に与えた主人の後悔 ビーグル犬の体内で起きていた「悲しい変化」

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これが市販のペットフードであれば、各メーカーの長年にわたる研究努力によって必要な栄養素を過不足なく含んでいますから、栄養性の病気の発生リスクはかなり抑えられます。衛生面でも安心できます。

このときのビーグルにしても、飼い主さんが成長期の子犬用のドッグフードを与えて、日光浴や外での運動を十分にさせていれば(骨の成長に必要となるビタミンDは、紫外線に当たると皮膚で合成されます)、くる病にならなかった可能性は高いでしょう。

足が曲がってしまった子犬のビーグル
(イラスト:秦直也)

この子は最期に苦しみましたか?

「この子は最期に苦しみましたか?」

亡くなったペットの飼い主さんからしばしば受ける質問です。

病理解剖の結果、大きな病変が見つからなかったときや、突然死や老衰の場合は、「おそらく苦しむことなく亡くなったでしょう」とお伝えしています。

しかし、病気になったり、けがを負ったり、適切なエサや水や住環境を与えられなかったりした動物たちがどのように感じているのか、人であるぼくに実際のところはわかりません。

科学者の間でも、人以外の動物が人と同じような「苦しみ」を感じるかどうかについては、さまざまな意見があります。

しかし、動物の種によってある程度の差はあるものの、生き物としての体のつくりや刺激に対する反応などがぼくたちと根本の部分で共通している以上、ぼくたちが「苦しい」「痛い」「つらい」と感じるようなことは、やはり動物にとってもそうなのだろうとぼくは考えています。長年、動物を身近で見てきた経験からもそう感じます。

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