SNS多用する人に伝えたい、相手を傷つけない技術 文字によるコミュニケーションが難しい理由

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同じことは読んでいるあなたの側にもいえる。フェイスブックで見た投稿に納得できないとき、あなたは認知的不協和を感じるということだ。認知的不協和とは、自分の世界観に合致しない情報が入ってきたときに感じる不快な感情を指す言葉である。

あなたの感じている不協和が、他の人の意見を訂正したくなるような気分を誘発する。自分は親切にも、相手の間違った推論を修正してあげている、と思ったりもする。

しかしながら、そうやって始まった議論は、人間関係を傷つけ、相手をさらに殻にこもらせてしまうことになってしまう公算のほうがずっと高い。

公開の場での会話では、人は「プライド」を賭けている

第2の点は、ソーシャルメディア上の会話の多くは、デジタルな公共空間で行われるということだ。そういう場には障壁や複雑な事柄が高く積み上がっているものだ。

うまくいっていると思った会話でも、挑発的だったり喧嘩腰の第三者が1人でも加わってしまうと、とたんに台無しになってしまう。そんな人物が20人ほど、束になってやってくることだってある。

もっと重要なこととして、公開の場での会話に臨むときには、人は自分のプライドを賭けているということだ。その結果として、公開の場での議論では、プライベートのときと比べて、人はもともとの立場に、より固執する傾向がみられる。

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