仕事ができない人は"相手のニーズ"を知らない 人は「感動」に対してお金を払っている

拡大
縮小

このように、相手の言葉の裏に潜むニーズがわかれば、やるべき仕事が明確に見えてきます。

一方で、周囲の人やお客様のニーズがわかっていないと、仕事がスムーズに進まないだけでなく、場合によっては大きな失敗を招きます。

また、本当はニーズではない仕事をしていたら、その分はすべてムダになります。それをやったとしても誰からも喜ばれません。

何がニーズで、何がニーズでないかを見極める

ここで重要になってくるのが、「何がニーズで、何がニーズでないか?」を判別できるかどうかです。

「これはニーズである」「これはニーズではない」ということが明確にわかっていれば、瞬時に「これはやるべき仕事」「これはやらなくていい仕事」という判断ができます。

しかし、その判断ができないと、その仕事をやるべきかどうか迷っている時間が発生します。私がコンサルティングしている会社組織を見ると、そうやって迷っている時間が全体の3割から4割くらいある(下手すると大半を占める)のではないかと思うくらい、その判断がうまくできていないようです。

いつでも、どこでも、何度でも卓越した成果をあげる 再現性の塊
『いつでも、どこでも、何度でも卓越した成果をあげる 再現性の塊』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

また、ニーズがわからない状態で仕事をしていると、「この仕事以外に、今、他に何かやらなければならないことはないだろうか?」などと考えながら仕事をしてしまいます。

優先順位がつけられていない状態で仕事をしている人は、漠然と働いています。そのような状態で仕事に取り組んでいると、仕事自体の生産性も上がらず、当然、成果も出ません。

ニーズをしっかり捉えている人は、仕事の途中で、次は何をしようかと迷ったりぼんやりしたりすることなく、価値づくりに対して、一直線に、一心不乱に仕事ができます。

「私のこの仕事は、ちゃんとお客様(や上司や同僚)のニーズを捉えていて、必ず役に立つはずだ」と理解・確信しているからです。

田尻 望 株式会社カクシン 代表取締役 CEO

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

たじり のぞむ / Nozomu Tajiri

京都市出身。大阪大学基礎工学部情報科学科卒業後、キーエンスでコンサルティングエンジニアとして重要顧客を担当。また販売促進技術、海外販売促進技術に従事。その後、研修会社の立ち上げに参画し、独立。社会変化に適応した企業の長期的発展を目指す。著書に『構造が成果を創る~価値を構築するストラクチャリング思考と手法』(中央経済社)、『付加価値のつくりかた 一番大切なのに誰も教えてくれなかった仕事の本質』(かんき出版)

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT