人事が知らないとマズい「採用」より大切な仕事 採用の背景にある「人員計画」の策定の方法
2月初旬までに来期予算、組織、部長などの主要人事、定員計画の策定を行います。2月中旬から3月上旬までに要員計画と人員計画の策定と人員異動調整を行い、3月中旬には、4月からの組織や人員を確定し、社員に対して内示をします。この間に異動や転勤の可否などの個別事情も勘案するため、さまざまな調整業務があります。
小さな会社の人事がまずやるべきこと
ある程度大きな会社では、このようにして人材配置や採用を決めていきますが、小さな会社では基本的に経営者が人事を兼務しています。そのため「3人ぐらい採れたらいいんじゃない?」「2人しか採れなかったけど、まあいいか」といった大雑把な感覚で配置や採用を行っていることがほとんどでしょう。
しかし、社員数が100名くらいまで増え、人事担当者を置くというステージに行けば、やはりそれだけでは厳しくなってきます。人事担当者に任命された人は、まずは社内の人員構成を確認することから始めてみてください。
たとえば、年齢構成です。何歳の人がどれだけいるのか。誰も辞めなければ5年後はみんな5歳年を取ります。平均年齢が50代になっているかもしれません。これは簡単にわかりますよね。となれば「やっぱり若手を入れたほうがいいよね」「20代は無理でも30代前半の人を採ろう」など、採用すべき人材の年齢層が見えてきます。
年功序列の会社では、社員の給料も5年分上がります。毎年給料を上げていっても会社は持つのか、人件費が毎年2%上がっていったらどうなるかのかなど、社長と一緒にシミュレーションしてみてください。中長期的な人件費を予測すれば、採用だけでなく、給与・厚生、評価・育成など、今後の人事施策の方向性が見えてきます。
5年後には定年になって会社を辞める人もいれば、定年後再雇用で残る人もいるでしょう。3年後、5年後に会社の事業がどうなっているかは読めないかもしれませんが、人がどうなっているのかは意外と簡単に予測することができます。
経営者は多忙なので、今後の人事について漠然と考えていたとしても、年齢構成をシミュレーションしている時間はないでしょう。人事担当者になった人は、まずはこうした計算から始めてみてください。そのうえで経営者と向き合い、1人ひとりの社員について「あの人どうしましょう」「今度こういう仕事をさせたらどうですか」といった話を常にするようにして、自社の人員計画について考えていきましょう。
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