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「法人版オリーブ」で拓く三井住友FGの新章、中小企業に「異次元のユーザー体験」を提供し30万口座獲得へ

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トランクの発表会
Trunk(トランク)は英語で「木の幹」や「旅行用かばん」を意味する。写真は左から三井住友カード大西幸彦社長、三井住友フィナンシャルグループ中島達社長、共同開発したインフキュリオンの丸山弘毅社長(記者撮影)

メガバンクの一角、三井住友フィナンシャルグループ(FG)の攻勢が止まらない。

同社は法人向けの新サービス「Trunk(トランク)」を5月から開始する。4月15日の新サービス発表会に登壇した中島達社長は「異次元の体験を提供する」と話し、強い自信をにじませた。

トランクは、法人向けのインターネット口座とビジネスカード(法人クレジットカード)を軸にしたデジタルサービスで、口座開設の早さと振込手数料の低さ、使いやすさの3つをウリにする。中小企業を顧客ターゲットとし、開始から3年で30万口座の開設を目指す。日本の中小企業数は約330万社、約1割に相当する。

三井住友FGは2023年から個人向け総合金融サービス「Olive(オリーブ)」を展開しており、今般のトランクはオリーブの法人版という位置づけだ。オリーブはサービス開始から順調に利用者を増やし、3月末には500万アカウントを突破した。トランクはオリーブで培ったノウハウを生かして展開していくという。

ある市場関係者は「オリーブの成功を背景に、トランクも30万口座の達成は堅いだろう」と話す。三井住友銀行で現在稼動している法人口座数は約60万口座に上っており、追加で30万口座の獲得は決して低いハードルではないが、実現性は高そうだ。

「すべてで既存プレイヤーに勝る設計」

新サービス発表会の中で中島社長が強調したのが「優位性」だ。これまで同社は、口座開設の早さや振込手数料の低さなどでネット銀行の後塵を拝していた。しかし、トランクでは最短翌日の口座開設が可能で、振込手数料も自行宛が無料、他行宛は145円とネット銀行と同水準に設定する。

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