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〈公取委が違反認定〉グーグル検索が変わる?想定シナリオは「スマホ価格上昇」「端末開発からのメーカー撤退」「アプリサービスの有料化」

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グーグル
排除措置命令を受けてグーグルは遺憾の意を表明、任意で契約している旨を強調した(写真:GettyImages)

「ネット検索はタダ」の時代は、終わりを迎えるのか──。

公正取引委員会が4月15日にアメリカのグーグルに対して排除措置命令を出したことは波紋を広げそうだ。公取委は2024年4月にも、検索連動型広告サービスをめぐってグーグルの自主改善を約束させる確約計画を認定しているが、今回はさらに厳しい措置に踏み込んだ。

問題視された取引は2つある。グーグルの基本ソフト「アンドロイド」を搭載する端末のメーカーや通信事業者に対して、①グーグルの検索サービスやブラウザーなどの初期搭載および、ホーム画面の目立つ位置への配置を要求、②検索を通じて得た収益を配分する代わりに競合他社の検索サービスを排除するよう求めたことが、独占禁止法違反に当たるとしている。

2024年時点で①については6社と、②については5社と契約を結んでいた。公取委は2点の違反行為を取りやめるよう契約変更を求めている。排除措置命令は、行政調査に基づく措置の中で最も重い。

端末メーカーに大きな影響

グーグルをめぐっては、欧州連合(EU)やアメリカの規制当局が多額の制裁金や事業分割などを求めており、包囲網が狭まっている。公取委も長らく各国の規制当局と連携しながら日本市場に見合った規制を模索してきた。

今回の排除措置命令については、「海外の規制に比べると甘く、是正に従ったところでどれだけ効果があるのか」(KDDI総合研究所リサーチフェローの小林雅一氏)との声もある。だが、無風で終わるともいえなさそうだ。

最も大きな影響を受けるのは端末メーカーだろう。グーグルの検索サービスを画面上のわかりやすい位置に配置することなどでいわば“紹介料”を得てきたわけだが、契約の見直しとなれば収益配分を受けられなくなる可能性が高い。

「こうした収入を開発費などに充てていたメーカーは採算が合わなくなり、端末価格が全般的に10万~15万円へと上がりかねない」。IT分野を取材し、情報経営イノベーション専門職大学の教授も務める松村太郎氏は、そう話す。

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