迷路を夢中で解く子どもの「地頭がよくなる」秘密 落ち着きのない子も算数嫌いも変える"遊び"

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この試行錯誤を短時間で何度も繰り返せるめいろは、失敗を恐れず挑戦する強さや「やり抜く」という心のスタミナを養います。すると、たとえめいろの行き止まりに入っても「ゴールできないルートが一つわかった」と、前向きにとらえられるようになるのです。

これは地頭のいい子、成長とともに学力が大きく向上する「あと伸び」する子が、必ずといっていいほど備えている素養です。私たち大人においても、何かに挑戦してやり抜くことは成功するために必須のことですから、良質な試行錯誤の価値をご理解いただけるのではないでしょうか。

次にお伝えしたいのが「見える力」です。

めいろをたくさん解くと、サッと目で追っただけで通るべき道筋が「光って見える」ようになっていきます。さらに力がつくと、どこの分岐点に何通りのルートがあるかまで、達人さながらに「見える」ようになるのです。

これは算数でいうところの「場合分け」が感覚的にわかり、補助線1本が思いつかないと解けない中学受験の図形問題を解く際にも大いに役立つ「数理センス」が磨かれてきた証です。

同時に、試行錯誤と推論を重ね、たった一つのゴールへの道を見つけることは、論理的思考を重ねて答えを導き出す、「詰める力」の成長につながります。

この2つの力がつくことで、頭のよさの根幹を成す算数・数学という学問での地力を養えるわけです。

算数好きが備える数理センスが自然に磨かれる

一般的なめいろでも上記のような力が磨かれていきますが、そこにパズル要素や学習要素を加えていくと、同時に脳のいくつもの領域を刺激しつつ数理センスが磨かれるようになります。付与されたルールを守りつつめいろの構造を見抜くうちに、集中して深く考える力がつくのです。

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