前回記事の復習になりますが、日本酒(清酒)は米に麹を仕込み、さらに酵母を加えて発酵させて作るものです。
じっくり時間をかけて発酵させることで甘味、酸味、辛味など、日本酒の複雑で深い味わいが醸成されます。
当たり前ですが、日本酒の原料は「米」です。米だけで作った酒を「純米酒」といいます。
ところが、この純米酒は値段が高くついてしまいます。
そこで登場するのが「醸造アルコール」です。
なぜ純米酒に「醸造アルコール」を混ぜるのか
「醸造アルコール」とは、サトウキビや砂糖を作る際に副産物として生ずる「糖蜜」やでんぷんを原料に作られる蒸留酒のことです。アルコール度はほぼ100%です。
この「醸造アルコール」は味や香りのない無味無臭の酒です。ちょうど「甲類焼酎」みたいな感じです。
これを製造の過程で添加すれば「カサ増し」ができるのです。
もちろん無制限に添加していいというわけではなく、「本醸造酒」の場合は主原料の白米1トンに対し、120リットル以内と制限されています。
「醸造アルコール」を添加した酒は「普通酒」「一般清酒」とも呼ばれます。私たち業界人は「アル添(酒)」などと呼んでいます。
今、日本酒で最も多く出回っているのが、この「アル添酒」です。みなさんもご自宅にある酒のラベルを見てみてください。
見分け方としては、原材料に「醸造アルコール」と書かれているのですぐにわかります。
米、米麹、醸造アルコール、糖類、酸味料
ちなみに、純米酒の原材料表示は「米、米麹」だけとなっているはずです。
「醸造アルコール」については「日本人が知らない『激安のお酢』のヤバすぎる裏側」にも書いているので、興味のある方は参照してみてください。
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