紫式部「清少納言の作品」を"猛烈批判"その心の内 「奇をてらうばかりで中身がない」と酷評した
紫式部は、あれやこれやの人物批評の後に書きます。
「何一つ思い当たる取り柄もなく、生きてきた人間で、そのうえ、特に将来の希望もない私は、慰めにするものもありません」と。
漢籍や古い歌が積み上がる紫式部の部屋
紫式部の部屋には、漢籍や物語、古い歌などが積み上がっていたようで、それを見た家の女房たちは「奥様はそんなだから、ご運が拙いのよ。どうして女性が漢文の本など読むの。昔は漢字で書いたものは、お経でさえ、読むのを、人がやめたものなのに」と陰口をたたいていたようです。
式部はそれを聞いて「運の拙さは、女房たちの言う通り」と自嘲気味に書いています。
(主要参考文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)
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