紫式部「清少納言の作品」を"猛烈批判"その心の内 「奇をてらうばかりで中身がない」と酷評した

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紫式部は、あれやこれやの人物批評の後に書きます。

「何一つ思い当たる取り柄もなく、生きてきた人間で、そのうえ、特に将来の希望もない私は、慰めにするものもありません」と。

漢籍や古い歌が積み上がる紫式部の部屋

紫式部の部屋には、漢籍や物語、古い歌などが積み上がっていたようで、それを見た家の女房たちは「奥様はそんなだから、ご運が拙いのよ。どうして女性が漢文の本など読むの。昔は漢字で書いたものは、お経でさえ、読むのを、人がやめたものなのに」と陰口をたたいていたようです。

式部はそれを聞いて「運の拙さは、女房たちの言う通り」と自嘲気味に書いています。

(主要参考文献一覧)
・清水好子『紫式部』(岩波書店、1973)
・今井源衛『紫式部』(吉川弘文館、1985)
・紫式部著、山本淳子翻訳『紫式部日記』(角川学芸出版、2010)
・倉本一宏『紫式部と藤原道長』(講談社、2023)

濱田 浩一郎 歴史学者、作家、評論家

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はまだ こういちろう / Koichiro Hamada

1983年大阪生まれ、兵庫県相生市出身。2006年皇學館大学文学部卒業、2011年皇學館大学大学院文学研究科博士後期課程単位取得満期退学。専門は日本中世史。兵庫県立大学内播磨学研究所研究員、姫路日ノ本短期大学講師、姫路獨協大学講師を歴任。『播磨赤松一族』(KADOKAWA)、『あの名将たちの狂気の謎』(KADOKAWA)、『北条義時』(星海社)、『家康クライシスー天下人の危機回避術ー』(ワニブックス)など著書多数
X: https://twitter.com/hamadakoichiro
 

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