市販の冷凍食品は、食材のカットサイズを小さくし、バラバラに散らばった状態で、冷却パワーが非常に強い急速凍結機で一気に凍結させます。
IQF凍結では、数分〜数十分という短時間で一気に凍らせるため、食品の組織が壊れにくく、水分や香り、おいしさなどを閉じ込めたままバラ凍結ができるのです。
家庭でパラパラの冷凍ねぎを使いたい場合は、まずは市販の「IQF冷凍ねぎ」を使うことを、筆者はおすすめします。
家庭のパラパラ冷凍がNGな訳
家庭でもパラパラに冷凍することはできます。
ではなぜ、おすすめできないかというと、食材本来のおいしさを大きく損なってしまう可能性があるからです。
食材がバラバラの状態で、冷却パワーの弱い家庭用冷凍庫で長時間かけて冷凍すると、おいしさがどんどん逃げていってしまいます。食材がバラバラだと水分と香りがより飛びやすくなり、さらに長時間かけてじわじわ凍結することで、より乾燥や酸化を促進させてしまうからです。
インターネット上にある「ねぎのパラパラ冷凍」記事を見ると、キッチンペーパーの上にねぎをのせて冷凍時に発生する水分(霜)を吸わせたり、冷凍途中でほぐしたりといったレシピが大半です。
しかし、水分を取ってしまうと、水分と一緒に香りやおいしさも抜けてしまい、乾燥もより一層進んでしまうので、「おいしさを取り除く」という本末転倒な手間をかけていることに……。
冷凍途中で取り出すのも温度変化が起こりやすくなり、食材を劣化させる行為です。
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